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2.セルフケアが上手くいかず、汚れが歯につきやすい人
3.お口の状態が良く、セルフケアができている人
4.なぜ1年に1回ではいけないのか?
5.早期発見・早期治療もできる
6.まとめ
歯科医院=痛くなったら治療するところというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、近年では定期的なメンテナンスとセルフケアが大切という認識が広がり、治療するから予防するへと意識が高まってきました。
歯科の定期検診は、虫歯や歯周病といったお口の病気を予防する上で非常に有効ですが、お口の中を健康に保つためには、どのくらいの頻度で通ったらいいのか迷ってしまいますよね。
お口の中の状態は人それぞれ違うため、セルフケアが上手な方もいれば、セルフケアが上手くいかず、歯に汚れがつきやすい方もいます。
そこで今回は、歯のクリーニングやブラッシング指導などを受けることができる定期検診の通院頻度について解説します。
一般的な歯のクリーニング
歯科医院での一般的なクリーニングに通う頻度は、3か月に1回程度と言われています。
お口の中にはたくさんの細菌が存在していますが、歯科医院でクリーニングをしてもらうと、お口の中の虫歯菌や歯周病菌は一時的に減少します。
しかし、ゼロになるわけではなく、その後ご家庭でしっかりブラッシングを行っても、歯周ポケットの中の歯周病菌の数は3ヶ月程度で再び増殖し、元に戻ってしまうという論文のデータがあります。
ですので、クリーニングに通う頻度も2~3か月に1回と言われています。
セルフケアだけでは落とせない汚れは、歯医者での専門的なクリーニングで除去してもらう必要があります。
磨き残したプラーク(歯垢)は放置していると歯石になり硬くなってしまいます。
プラークや歯石は、虫歯や歯周病の原因となるため除去しなくてはいけませんが、歯石はとても硬いので歯ブラシでは除去することができません。
セルフケアが上手くいかず、汚れが歯につきやすい人
セルフケアが上手くいかず、汚れが歯につきやすい方や、歯周病が進行してしまっている方の場合は、1~2か月くらいのペースで歯科医院で専門的なクリーニングをされるのが望ましいです。
歯周病が進行している方は、歯周ポケットが深くなってしまっています。
歯周ポケットが4ミリ以上になってしまうと、歯ブラシでは取りきることが難しいため、歯周病がこれ以上悪くならないように適度なクリーニングが必要です。
歯科医院では、汚れや着色を除去するクリーニングのほかに、歯磨きの仕方を教えてもらうことができます。
セルフケアが上手くいかない方は、定期的に磨き残しがどこにあるかチェックしてもらうと良いでしょう。
歯並びが悪い方やタバコを吸う方も、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
歯並びが悪い方は、細かい所に歯ブラシの毛先が届きにくいため汚れが残りやすくなるからです。
また、タバコを吸われる方は、タバコに含まれる成分が歯周病を悪化させ、歯面にヤニもつきやすくなるため1~2か月ぐらいのペースでクリーニングを受けられることをおすすめします。
お口の状態が良く、セルフケアができている人
セルフケアができてお口の中の状態がきれいに保てている方は、虫歯や歯周病のリスクが少ないため半年に1度くらいのペースでも大丈夫でしょう。
ただし、セルフケアが上手な方であっても、歯科医院での定期的な検診やクリーニングは必要ないというわけではありません。
どんなに上手に磨けていたとしても、落としきれていない汚れがあります。
セルフケアができていて、虫歯がなく、歯周ポケットの数値がすべて3mm以下となっている方でも、半年に1度は定期検診とクリーニングをしてもらうことをおすすめします。
なぜ1年に1回ではいけないのか?
3ヵ月に1回の頻度で定期検診を受けるとなると、なかなか時間を割くことができない、という方もいらっしゃるかと思います。
健康診断が1年に1回なら、歯科検診もそれと同じ頻度で良いのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、それでは磨き残した歯垢がお口の中にたまってしまい、虫歯や歯周病をしっかりと予防するのは難しくなります。
虫歯や歯周病などの病気は比較的進行が早く、1年という長い期間をあけてしまうと、取り返しのつかない状態まで悪化してしまうことも珍しくありません。
早期発見・早期治療もできる
もしも虫歯や歯周病にかかっていたとしても、3~6ヶ月に1回、定期検診を受けていれば、初期段階で見つけ出すことができます。
虫歯や歯周病は、一度かかってしまうと治療を受けてもお口にダメージが残ります。
早い段階のうちに見つけ出し、治療に取り組むことで、お口へのダメージは最小限に抑えることができますし、強い痛みを感じずに済みます。
患者さんご自身で虫歯や歯周病を早い段階のうちに発見するのは非常に難しいです。
3~6ヶ月に1回、定期検診を続けていれば、虫歯や歯周病を早期発見できるため、お口へのダメージも減らすことができます。
まとめ
歯科の定期検診は、虫歯や歯周病があるかどうかを調べて治療をしてゆくだけではありません。
これからも虫歯や歯周病にかからないように、様々な予防処置も受けることができるのです。
そうしたことも踏まえ、3~6ヶ月に1回の定期的な受診をおすすめします。