院長ブログ

2024.01.15更新

こちらの記事は5分で読めます。

【 目 次 】

歯ぎしりや歯の食いしばりは、多くの方が経験する症状であり、その影響は歯やお口の中に限らず、全身に及ぶこともあります。

歯ぎしりは、成人の約80%にあるお口の中の症状と言われており、夜間睡眠中に起こることが多いため、患者様ご自身では気づきにくく、治療をして今すぐ治すことが難しい癖の1つです。

自分自身で歯ぎしりを自覚するというのはとても困難なことなので、症状を自覚している患者様は10%も満たないと言われています。

なので、患者様の大半が歯医者を予約して来院した際の定期健診や診療時に、歯科医師や歯科衛生士から、または家族から指摘をされて「自分は歯ぎしりをしていたのだ」と認識します。

歯ぎしりには、遺伝的な影響が半分ほどあります。

また、場所が特定されない原因不明の歯の痛みや顎の痛みの多くは、歯ぎしりが関係していることが多いのです。

歯ぎしりにかかる力は、通常起きている時の噛む力と比べると、6倍以上の力が加わっているため、何も対策をとらずに放っておくと、歯ぎしりによって虫歯でも歯周病でも無いのに歯を失う可能性もあります。

頭痛や肩こり、腰痛などとの関係性も明らかになりつつあります。

そんな歯ぎしりに悩む患者様におすすめの解決策として、今「マウスピース」の使用が注目されています。

歯ぎしりや食いしばりにはマウスピース (ナイトガード)が良いって聞いたけど、費用はどれくらいかかるのだろう?

歯医者を予約して診療を受けた際、歯科医師や歯科衛生士からマウスピース (ナイトガード)をつけた方がいいと言われたけど、本当に必要なの?

と、過去に歯医者で診療をした際、そういった疑問を抱いていたことがある患者様も多いかもしれません。

今回は、歯医者が解説する歯ぎしりとマウスピースについての情報をお伝えしていきます。

 歯医者 マウスピース 歯ぎしり

 

 

歯ぎしりの原因と影響

無意識のうちに上下の歯を強い力で擦り合わせてしまう歯ぎしり。

歯ぎしりは、主に精神的なストレスや不安などが原因で発生することがあります。

また、噛み合わせの異常や歯並びの不良などの歯科的な原因によっても引き起こされることがあります。

歯ぎしりを起こす原因や詳しいメカニズムははっきり分かっていませんが、日中の強い精神的ストレスや肉体疲労が、夜間睡眠中の歯ぎしり・食いしばりという形で解放し、心身のバランスを保っているのではないかという考えです。

また、歯ぎしりは子供にもよく見られますが、乳歯が永久歯に生え変わる時期に関係していることが多いと言われています。

生え立ての歯で、顎の位置を決めるために一時的に発現しているものと考えられており、これは歯の生えかわりや骨の発育に必要なもので、ほとんどの場合自然に治ります。

歯ぎしりの影響として以下のような症状や問題が起こることがあります。

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歯の摩耗や割れ

長期間にわたる歯ぎしりは、歯の表面を摩耗させたり、歯科治療で入れたセラミックなどの被せ物が割れたりする可能性があります。

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歯の感度

歯の表面が削られることによって、歯の神経への刺激が増加し、歯の感度が高まる可能性があります。

冷たいもの、甘いものがしみたり、歯ブラシの時の刺激で痛みが出現し、知覚過敏症になることがあります。

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顎関節症

歯ぎしりが顎の関節に負担をかけ、顎関節症の症状を引き起こす可能性があります。

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歯の周りの組織への影響

歯周病が悪化する可能性があります。

嚙み合わせによる過度な力は、歯肉や歯を支える骨に負担を与え、歯周病を進行させます。

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マウスピースの効果

夜間睡眠中専用の「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースを装着しましょう。

マウスピースは、歯ぎしりによる歯や顎への負担を軽減するために用いられるアイテムです。

歯ぎしりや食いしばりの予防のほか、格闘技や主に激しいスポーツ(選手間に接触があるスポーツ)による衝撃からの保護、歯列矯正、ホワイトニングなど、マウスピースは様々な用途で使われます。

マウスピースの具体的な効果としては以下の点が挙げられます。

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歯の保護

マウスピースは歯同士の摩擦を和らげ、歯の表面を保護します。

これにより歯の割れや摩耗を予防します。

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顎の負担軽減

歯ぎしりによって顎が緊張し、筋肉や関節に負担がかかります。

マウスピースは顎の位置を安定させ、負担を軽減します。

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顎関節症の予防

歯ぎしりによる顎関節症のリスクを低減する効果があります。

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マウスピースの注意点

ただし、マウスピースを使用する際には、以下の注意点に気を付けることが大切です。

 

適切なフィット

マウスピースは自分の歯に合ったものを選び、フィットさせることが重要です。

市販のものはゴム製のマウスピースをお湯で柔らかくし、歯に合わせて調整し、作成していくものが多いです。

これらは気軽にできるのは良い点ですが、適合が悪く違和感が強いのがデメリットとなります。

一方、歯科医院で作成するマウスピースはご自身の歯型に合わせて調整し、圧接して作成するため、違和感なくフィット感がいいものとなります。

なるべく歯科医院に相談して、適切なマウスピースのサイズ調整やマウスピースのタイプを選びましょう。

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マウスピースの種類と特徴

 

ソフトタイプ

ゴム製の柔らかい素材でできていて、装着による違和感は少ないです。

歯ぎしりによる力が強い場合は、きちんと調整しても削れて穴が開いてしまうトラブルがあります。

 

ハードタイプ

レジンと呼ばれる硬い樹脂素材でできていて、装着時の違和感が強く噛み合わせの調整が難しいです。

削れて穴が開くなどのトラブルが少ないです。

 

 

清潔な状態を保つ

マウスピースは定期的に清潔に保つことが必要です。

使用後はマウスピースを水洗いし、柔らかめの歯ブラシを使って定期的に洗浄することや、マウスピース専用の洗浄剤を使用するようにしましょう。

マウスピース専用の保管ケースで管理することも必要です。

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マウスピースの寿命

マウスピースは時間が経つと、すり減って穴が開いてしまったり、変形してしまうなどのトラブルがあります。

歯科医院を予約して来院し、診療を受けた後、歯科医師による修理もできますが、大幅な修復を要する場合は新たなマウスピースを作成した方がいいでしょう。

個人差や使用頻度にもよりますが、マウスピースは一般的に1年くらいが寿命と言われています。

ソフトタイプですぐに穴が開いてしまうトラブルがあった場合には、ハードタイプの作成を検討しましょう。

また、歯科医院の予約をして定期的に来院し、診療を受け、マウスピースに穴が開いていない、歯科医師や歯科衛生士にチェックしてもらうことも大切です。

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継続的な使用

マウスピースの効果を実感するためには、マウスピースの継続的な使用が対策のひとつとして必要です。

通常は、歯ぎしりが多い時間帯である夜間睡眠時にマウスピースをつけます。

初めは違和感がありますが、ほとんどの患者様がだんだん慣れてきます。

基本的には夜間睡眠時間帯以外にも一日中着けていただきたいのですが、 無理のない範囲で装着していただければ大丈夫です。

毎晩寝る前に装着する習慣をつけることが大切です。

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マウスピースで歯ぎしりを改善

このように、マウスピースは歯ぎしりに対して多くのメリットが期待できます。

しかし、あくまでマウスピースは補助的な治療法であり、根本的な原因を解決するものではありません。

したがって、マウスピースを装用する場合は、定期的に歯科医師や歯科衛生士と相談し、マウスピースの適切なメンテナンスチェックやマウスピースの交換を行う必要があります。

無意識のうちに上下の歯を強い力で擦り合わせてしまう歯ぎしり。

ストレス社会の現代日本において、歯ぎしり・食いしばりがもたらしているストレス解消の効果や歯周病や歯の破折、頭痛や肩こり、腰痛などの原因にもなっているのであれば、無視することはできません。

だからこそ日本の政府はマウスピース (ナイトガード)の重要性を認識し、マウスピースを健康保険の適用範囲内に設定しているのかもしれません。

歯ぎしりの原因となるストレスや不安を減らすためには、ライフスタイルや睡眠環境を見直し、できることから改善を行い、心身の疲れを癒すよう努めることも大切です。

「面倒そう」「価格が高そう」と思っていた患者様も、ぜひこの機会に費用対効果を考え、マウスピース (ナイトガード)の使用を検討してみてはいかがでしょうか。

歯ぎしりに悩みを抱えている患者様は、歯科医師や歯科衛生士と相談しながらマウスピースの使用を検討してみてください。

適切なケアとマウスピースの利用によって、歯ぎしりによる影響を軽減し、健康な歯とお口の中の環境を維持しましょう。

歯医者 マウスピース 歯ぎしり

 

投稿者: ブルーリーフ歯科

2024.01.01更新

こちらの記事は5分で読めます。

【 目 次 】

マウスピースは歯やお口の中の健康を守るために重要な役割を果たしています。

マウスピースと言っても、歯科矯正治療用や、ホワイトニング、睡眠時やスポーツの際に歯ぎしりや食いしばりから歯を守るものまで、様々な用途のものがあります。

マウスピースの素材は、ゴム製の柔らかい素材でできたソフトタイプのものと、レジンと呼ばれる硬い樹脂素材でできたハードタイプのものと、素材も様々あります。

どちらも着色がしやすく、プラークと呼ばれる汚れも付着しやすいため、お手入れを正しく行い、清潔な状態を保つことが必要であり、とても大切です。

矯正治療中は特に虫歯や歯周病になりやすくなってしまい、矯正治療が当初の予定通り進められなくなってしまうこともあります。

今回は、マウスピースの正しい洗い方とお手入れのコツについて、注意点を交えてわたしたち歯医者が解説していきます。

歯医者 マウスピース 洗い方

 

使い終わったらすぐに洗う

マウスピースを使用した後は、できるだけ早く洗浄しましょう。

注意点として、お手入れせずマウスピースをそのまま放置すると、細菌やカビが繁殖しやすくなります。

このような状態のマウスピースを装着し続けた場合、口内で細菌が活発に動き、虫歯や歯周病の原因となることも考えられます。

使用後はすぐに手洗いをするか、マウスピース洗浄用のケースに入れる方法が効果的です。

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ぬるま湯で手洗いする

マウスピースを洗う際は、熱いお湯(60度以上)や熱湯洗浄器でお手入れする方法は避けてください。

注意点として、熱いお湯はマウスピースを変形させる原因となる可能性があります。

熱いお湯ではなくぬるま湯で、中性洗剤を使用して、マウスピースを優しく手洗いするお手入れ方法が効果的でしょう。

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歯ブラシを使って汚れを落とす

マウスピースの表面に付着した汚れのお手入れの仕方は、柔らかめのタイプの歯ブラシを使って優しくこすることで、付着した汚れが落としやすくなり効果的です。

ただし、注意点として歯磨き粉の使用は避けましょう。

歯磨き粉には研磨剤という成分が入っていることが多く、その研磨剤によりマウスピースの表面に無数の細かい傷がつき、そこに雑菌が入り込み、繁殖する原因にもなります。

歯磨き粉は使用せず水だけで洗浄することを推奨しますが、もし歯磨き粉を使う場合は、研磨剤の入っていないものを選びましょう。

また、歯ブラシの毛先が硬すぎるタイプは、マウスピースを傷つける原因となる恐れがあるので、毛先が硬いタイプの歯ブラシは使用しない方が良いでしょう。

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漂白剤やアルコールは避ける

マウスピースを洗浄する際の注意点として、漂白剤やアルコールを使用する方法は行わないでださい。

これらの薬品はマウスピースを変色させたり、変形したりする原因となる恐れがあります。

また、お口の中に有害な成分を残すことがあります。

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定期的な水洗いを行う

通常の洗浄とは別に、定期的な水洗いを行うことで、残った洗剤やお口の中の細菌を取り除くことができます。

水洗いは、付着した細菌を簡単に取り除くことができる効果的で気軽にできるマウスピースのお手入れ方法です。

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専用の洗浄剤を使う

マウスピース専用の洗浄剤を使用する方法は、より効果的に清潔さを保つことに必要なお手入れ方法です。

マウスピースの洗浄剤は、消臭・殺菌の効果があり、付着した目に見えない汚れや臭いまで落とし、除菌もできるおすすめの洗浄方法です。

普段は水洗いをし、週に1回程度(または汚れや臭いが気になったら)洗浄剤を使用することもおすすめです。

また、指で洗っても取れない汚れ(歯垢や着色)などがついたときもマウスピース専用の洗浄剤を使用してみましょう。

市販されているマウスピース専用の洗浄剤を使用するか、歯科医師や歯科衛生士に勧められたマウスピース専用の洗浄剤を利用すると良いでしょう。

ただし、ドラックストアやネットでも購入できるマウスピース専用の洗浄剤は、マウスピースの材質と、洗浄剤に含まれる成分によっては、変色・変形の原因になる可能性もあるため、マウスピースを作成した歯科医院推奨の洗浄剤を使用することが望ましいかもしれません。

また、洗浄剤には、入れ歯用などのようなつけ置きタイプや、除菌スプレータイプのものが販売されています。 つけ置きタイプの洗浄剤を使用する場合は、洗浄液に浸す時間を守るようにして下さい。 長時間付けすぎると変形などの原因になります。

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マウスピース装着時の注意点

  マウスピースを装着する時は、必ず歯磨きをして歯がきれいな状態であることが望ましいです。

食事をした後、歯を磨かずにそのままマウスピースをはめてしまうとマウスピースが汚れてしまいます。

そして、そのマウスピースを使っていると、やはり細菌が増殖して、虫歯、歯周病、口内炎の原因となってしまいます。

また、細菌が繁殖すると口臭の原因になることもあるので、食事をした後は必ず歯磨きをしてからマウスピースをはめましょう。

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正しい保管方法

  続いて、マウスピースをしない時間帯や、スポーツの時に使用するマウスガード、就寝時の歯ぎしりから歯を守るためのナイトガードなど、特定の時間でしか装着しないマウスピースの正しい保管方法を解説していきます。

マウスピースを保管する際は、マウスピースを洗浄後しっかり乾いたことを確認し、マウスピース専用のケースで保管します。

この時、マウスピースに水分が残ったまま通気性の悪いところに保管してしまうと、せっかくマウスピースを綺麗に洗浄したにもかかわらず、マウスピースに雑菌が繁殖しやすくなるため注意が必要です。

また、マウスピースでの矯正治療中に意外と多くあるトラブルとして、マウスピースのケースに入れず剥き出しの状態で保管すると、ホコリなどで不衛生になったり、マウスピースを誤って捨ててしまったりする可能性があるため、お手入れ後は必ずマウスピース専用のケースに保管するようにしましょう。

マウスピースの紛失や破損は、治療の効果や経過に影響してしまうので、洗浄だけでなく保管にも注意しましょう。

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トラブル時は歯科医師による診療を受ける

  マウスピースが変形した、マウスピースが割れてしまった、マウスピースをなくした、マウスピースが歯にはまらなくなったなど。

上記のようなトラブルは、マウスピースを歯にはめている間よりも、マウスピースの付け外しや、マウスピースのお手入れのタイミングで起こりやすいです。

このような場合は、気軽にかかりつけの歯科医師へ相談しましょう。

その際は、あらかじめ診療時間内に予約を取るとよりスムーズでしょう。

注意点として、無理に使用を続けると歯並びに影響が出ることがあります。

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マウスピースを清潔に保つことの大切さ

子供や成人、スポーツ選手など様々な場面で必要とされるマウスピースですが、マウスピースの適切な洗浄方法を守ることで清潔さを保つことができ、マウスピースの快適な使用を続けられることでしょう。

正しい方法でマウスピースを洗ったり、保管しなかった場合、前述の通り雑菌が繁殖し、着色や臭いの原因になるだけでなく、カビが生えてしまうこともあります。

マウスピースは、定期的に清潔に保つことが必要なのです。

また、正しいお手入れをしない状態のマウスピースを装着し続けた場合、お口の中で細菌が活発に動き、虫歯や歯周病になることも考えられます。

虫歯や歯周病を発症すると、歯科医院でマウスピースの矯正治療中の場合、矯正治療を一旦中止し、虫歯治療や歯周病治療にあたることとなります。

そのため、矯正治療期間の長期化にもつながってしまいます。

正しい洗い方とお手入れのコツを実践することは、マウスピースの寿命を延ばし、お口の中の健康をサポートすることができます。

歯科医師や歯科衛生士からの指示に従って、毎日のお口のケアにマウスピースのお手入れ方法を取り入れましょう。

何かあれば気軽に歯科医師に相談できる、かかりつけの歯科医院があると安心です。 健康な歯とお口のケアのために、マウスピースのお手入れを大切にしましょう!

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投稿者: ブルーリーフ歯科

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